2010年12月4日(土)、日本コーチ協会の第12回年次大会が、都市センターホテル(千代田区永田町)で開催されました。今年は「脳科学、医療、スポーツの分野の先駆者たちからコーチングのヒントを学ぶ」というテーマにもとづき、各界におけるコーチングの可能性について3名の方々にご講演いただきました。
ご参加いただきました皆様、また運営をサポートしてくださった皆様に、心よりお礼申し上げます。
以下に、当日の様子の一部をレポートします。
◆Sesson1 「つながる脳」
独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター
適応千枝氏研究チーム チームリーダー 医学博士
藤井 直敬氏
ヒトとヒトの脳はどのようにつながっているのか?という問いからスタートした講演は、直井氏が社会的脳に興味を持ったきっかけから現在ではどのような研究がされているのかが紹介されました。
社会的脳という概念が脳科学の新しい視点を提供していました。個人の脳が他者の脳とどのようなつながりや、お互いに及ぼしている影響についての確かな裏づけは今後になりそうですが、ヒトとヒトとの関係性を深いところで理解することはコーチングのアプローチに新しいヒントとなるでしょう。
◆Sesson2 「医療分野におけるコーチングの構造と効果に関する検証研究」
東北大学大学院医工学研究科 教授 副研究科長
出江 紳一氏
すでに東北大学で研究、実践が進んでいるさまざまな研究データがエビデンスと共に発表されました。
- 脊髄小脳変性症患者へのコーチング
- コーチング理論に基づく脳卒中診療医のための医療コミュニケーションスキルトレーニングの効果
- 介護予防ケアマネジメントにおけるコーチング技術の応用について
- 指導医が研修医のコミュニケーション能力が向上するかどうかを看護師から評価
◆Sesson3 「エリートスポーツにおける情報戦略」
専修大学潤教授(スポーツ医学博士) JCO情報戦略部会長
日本レスリング協会男子強化委員会テクニカルディレクター
久木留 毅氏
日本におけるエリートスポーツという分野で活用されているテクノロジーを数多く紹介されました。ハイテク技術を用いたテクノロジーの中でコーチにより求めれるの能力を世界ナンバー1の選手を育てた久木留氏の体験談から伺いました。
情報戦術とは、意志決定者が正しい、理にかなった判断・決断をするために「情報」を収集・分析・加工し、提供すると定義づけされていました。エリートスポーツにおける情報戦略を担うコーチが担っている分野に今後のコーチング新たな重要性を感じました。