日本コーチ協会主催 第22会年次大会開催報告(2021年)

2021年3月13日(土)日本コーチ協会の第22回年次大会が、オンラインにて開催されました。
初めてのZoomによる開催でしたが、たくさんの方にご参加いただくことができました。ご参加いただきました皆様、また運営をサポートしてくださった皆様に、心より御礼申し上げます。以下に、当日の様子をご報告します。

◆Session 1:「縦割り組織の改革と対話的組織開発」

若林 直樹氏
京都大学経営管理大学院 教授

経営組織論、ネットワーク組織などが専門の若林直樹氏より、具体的な企業の「研修」等の導入事例や、そこから生みだされた新たな課題、組織の縦割り化が組織の分断と硬直化を進めるお話などについてご講演頂きました。特に「壁を作る人」「壁を越えて調整する人」「壁を動かす人」のお話に多くの感想が寄せられました。

◆Session 2:「激変する困難な時代における 対話の促進」

ハーレーン・アンダーソン氏
(心理学者 ポストモダン・コレボレーティブ・アプローチ・セラピー共同創設者)

海外から登壇されたハーレーン・アンダーソン氏は、逐次通訳付きの講演となりました。
アンダーソン氏ご自身の長きにわたる経験と研究成果から「対話」についてお話しいただきました。特に、キューバの彫刻から「見えないものがたくさんある」という視点の持ち方や、「聞く時に何も持ち込まない」「対話とは他者と一緒にいる自分をいざなうものである」といったコーチとしての在り方に向けたお話に感想が多く寄せられました。

◆Session 3:「組織のパフォーマンスに変化を起こす『対話』とは」

篠田真貴子氏(エール株式会社 取締役)

篠田真貴子氏は、「聞く」と「聴く」の違いを、ご自身の体験から語ってくださいました。 「きく」に Judgement が含まれるかどうかが「聞く」と「聴く」を分けること、 話を聴いてもらうと自分の思考・感情が言語化でき「観察」「概念化」が進むことなど 聴くことの大切さを学びました。また対話=対「聴」という言葉も印象的でした。

◆Session 4:「3分間コーチの事例紹介」

有吉祐介氏(株式会社コーチ・エィ 執行役員)

有吉祐介氏からは、「組織活動のほとんどはコミュニケーションによって成り立っており、コミュニケーションの目的が変わらなければ人の意識も変わらない」という視点から、「3分間コーチワークショップ」を導入した会社の事例紹介をいただきました。組織体制を変えただけではうまく行かない状況だったところ、「3分間コーチ・「対話」のワークショップ」で社員同士がともに対話を重ねたことにより、組織活動のコミュニケーションに変化が起こった事例で、組織における対話の価値について、参考になりました。

過去の大会の様子