2006年10月14日(土)、日本コーチ協会の第8回年次大会「Coaching2006」が、東京国際フォーラムで開催されました。今年は、「求められるコーチとは」、と題し、コーチが果たす役割や、コーチングに対する新たな認識を深める一日と位置づけてワークショップと様々な分科会が行われました。
基調講演は、NY大学講師としてコーチング認定プログラムの開発に携わるDavid Rock氏(リザルト・コーチング・システム代表)による “新しい時代のリーダーシップ~自発的思考ができる人間を育てる「静かなるリーダー」とは?”。
◆Sesson1 「ワンランクアップのコーチング」
午後は、各会場に分かれて様々な分科会が行なわれました。参加者全員がペアでコーチングでコーチングを行う中で、ロック氏が「コーチの脳ではなく、クライアントの脳に仕事をさせる質問を考えてください。」 というメッセージを伝え、質問をつくり出していきました。参加者からは、「コーチングの結果、次に行なう自分の行動が明確になった。」 「シンプルな質問だけでクライアントが新たな行動を選んでいく様子が印象的だった。」 という感想が上がっていました。
◆Sesson2 「ICFマスター認定コーチによる未来を引き出すコーチング」
“未来を引き出す質問とはどんなものか?” 会場全員で考えた後、未来についてペアでコーチングを実施しました。 次にその人が重視している「価値」にまつわることを聞き取り、これに基づきコーチングを実施しました。
◆Sesson3 「クライアントを惹きつける」
コーチがクライアントを獲得しようとする時に陥りやすい落とし穴を、参加者全員がチェックリストを使って現状分析し、 スピーカーから成功のポイントを紹介。その後、自分のコーチとしての専門領域(ニッチ) を掘り起こしていく コーチングを全員がペアになり実施しました。
「自分でも気づいていなかった、または忘れていた専門性に気づいた。」 「新しい発見と活気に満ちた時間を過ごせた。」 などの感想が寄せられ、参加者の明るい笑顔が印象的な分科会でした。
◆Sesson4 「プロコーチへの道」
資格を取ってプロとして独立した6人のコーチの体験談を聞き、会場の参加者からの質問にそれぞれのコーチが 答えていきました。「コーチの一日のスケジュールとは?」 「仕事はどのように探したのか?」 など率直な質問が よせられていました。コーチの皆さんからは、「きっかけ、転機が来たときにはともかく行動してみる。」という 共通したメッセージが感じられました。
◆Sesson5 「社内コーチによる生産性の高いチームづくり」
本格的にコーチングを学び「社内コーチ」として力を発揮している5人から、その導入プロセスと成果までをプレゼンテーションおよび質疑応答形式で紹介しました。 参加者からは、「百社あれば百通りの導入方法があることがわかった。」や、「社内コーチの認知度や受容度はまだまだで課題も多いが、同じように努力している仲間を見つけられて心強くなった。」などの感想が寄せられました。
◆Sesson6 「コーチング入門」
コーチング初心者でもすぐに活用できる実習を通じて、コーチングの楽しさを体験し、理解を深めていただく分科会。「入門とはいえ、3回も実習があり、持ち帰ることができて満足。」との声が寄せられました。
◆Sesson7 「コーチングを教育に活かす」
教育現場でコーチングを取り入れた授業を実践している教師による事例紹介とパネルディスカッションが行なわれました。会場は、参加者の教育に対する関心の高さを反映して満席立ち見の大盛況でした。
◆Sesson8 「コーチングにツールを活用する」
コーチングにおけるツールの位置づけについてのレクチャーの後、実際にツールを使ってのコーチングを代表の参加者1名が 体験しました。このやりとりを通じて他の参加者もコーチングにおけるツールの有用性と面白さを体験していました。
◆Sesson9 「コーチングデモンストレーション」
そのスピード感とライブなやりとりで毎年人気のデービッド・ゴールドスミス氏によるコーチングデモンストレーション。今回は「経営者や上級管理職のビジョンメイキング」や「部下育成」をテーマにしたコーチングを紹介しました。
◆Sesson10 「企業におけるコーチング導入の可能性と成果」
大手自動車メーカーへの大規模なコーチングプロジェクトの導入から成果に関する紹介と、自動車ディーラーの店長に対する実績向上コーチングの紹介がありました。ここ1-2年コーチ業界全体としても、企業へのコーチング導入ニーズが高まっています。この分科会も満席立ち見の盛況振りでした。 「個人ではなく組織をコーチする」という考え方が、企業におけるコーチング成功の鍵を握っているようでした。
◆Sesson11 「成果を上げるコーチとは-コーチのファウンデーションと倫理」
クライアントの成果と、コーチ自身のファウンデーション(自己基盤)の関わりを、事例を交えて考えていきました。またアセスメントを利用し、ファウンデーションを強化する自己成長プランを立てていくことを体験しました。
日本コーチ協会は、全国に15のチャプター組織があります。今年もチャプターブースが出展されました。
コーチング関連書籍やグッズの販売ブース。