2008年9月20日(土)、日本コーチ協会の第10回年次大会「Coaching2008]が、
都内、都市センターホテルで開催されました。
今年は「クリエイティビティを発揮する」と題し、創造性とコーチングの関係に
ついて考察する為の、さまざまな分科会が行われました。
ご参加いただきました皆様、また運営をサポートしてくださった皆様に、
心よりお礼申し上げます。
以下に、当日の様子の一部をレポートします。
オープニングの調査報告。今年は、コーチング研修を実施している企業において、 その成果に関する定量調査を行いました。
基調講演 Dr. Kobus Neethling 南アフリカ・クリエイティビティ財団会長 「A New Kind of Creativity for a New Kind of Century」
◆Sesson1 『コーアクティブ・コーチング (R) ~人と組織の本領発揮を支援する協働的コミュニケーション~』
コーチは相手の可能性を信じ、相手を受け入れる人 -CTIジャパン代表の島村さんによる、コーチとクライアントとの関係性、協働関係の大切さとその有効性が紹介されました。一番大きい会場(100名)が満席となり、開場前からドアの外で待つ参加者が見受けられるなど、その期待感と人気の高さが伺えました。
◆Sesson2 『ICFマスター認定コーチによるコーチングデモンストレーション ~ビジョンメイキング~』
クライアントがビジョンを描くために、コーチはどんな質問を重ねていくのか。実際のコーチングデモで、ビジョンにたどりつくプロセスを見た参加者から活発な質問があがっていました。また参加者自身のビジョンを話すエクササイズでは、大変盛り上がり、みなさん積極的に参加されていました。
◆Sesson3 『成果を上げるコーチとは ~コーチとしてのファウンデーションと倫理~』
コーチとして成果を上げるためのファウンデーションの重要性とその強化法について、オリジナルのアセスメントを使い、参加者同士でコーチングをしました。
プロのコーチにとっても、またコーチング初心者にとっても、「学びが深まる。」と、昨年に引き続きたいへん好評な分科会でした。
◆Sesson4 『コーチ型マネジャーが組織にもたらす可能性を探る』
実際にコーチングを導入された企業の担当者4名を迎え、コーチング型マネジメントの成果について、検証しました。「離職率の低下」「事故防止」「売上向上」「採用強化」といった企業にとって関心の高いテーマについてそれぞれ的確な数値データと組織内での具体的なマネジメント例が紹介され、参加者、特に企業内でコーチングを検討されている担当者の方からは、満足度の高さが伺われました。
◆Sesson5 『コーチは人と組織をクリエイティブにする』
前後半ともに満席となる、非常に人気の高い分科会でしたはじめに少人数のグループで5分間の自己紹介がされ、すぐに参加者同士の緊張感がほぐれていきました。次に「組織の中で人が“クリエイティブになっている”かどうか、どんなところでわかるのか?」「何をすることで、その場や関わる人々をクリエイティブにするのか」についてディスカッションが行われました。終始、活発に意見交換されている姿が見られ、会場は一体感に包まれていました。
◆Sesson6 『コーチングの効果に関する実証的研究』
神経性の患者に対するコーチングセッションの効果、その症状の変化や問題点と対処法等が、東北大学の研究成果として紹介されました。医療関係者の参加が多く専門性の高い質疑や話題にもかかわらず、一般の参加者もたいへん熱心に集中して聴く姿が見られました。貴重な研究成果をユーモアを交えながら参加者とインタラクティブに関わりながら発表するスタイルが印象的でした。
◆Sesson7 『現場で使える3分間コーチ・ワークショップ』
部下との関わり方や、理想の上司像についてなど、現場での実践という部分に着目し、二人組みでディスカッションが行われました。非常にリアルな部下との場面を想定しての実習がふんだんに取り入れられていて、参加者からは、「現場で使うための実践的な感覚を持ち帰ることができる」という声があがっていました。
◆Sesson8 『医療現場へのコーチング活用事例』
医療現場で働く人が抱える、コメディカルとのコミュニケーションに関する課題とその成功事例を、医者、看護師、産業医、それぞれの立場から紹介しました。 「医者がコミュニケーションについて学ぶ場が無い。」「研修医や後輩の育成能力が必要。」「患者からの相談を抱え込まずに、職場内で協力関係を築きながら、患者本人に解決させるアプローチを見つけ出す。」などの具体的な事例は、医療に従事する多くの参加者の共感を呼んでいました。
◆Sesson9 『医療分野におけるコーチング研究の最前線』
研修医を教育する立場にある指導医がコーチングを学び、日常の研修医との コミュニケーションの中でコーチングスキルを活用することで、研修医のコミュニケーションスキルは向上されるのかを、360度フィードバックを導入し検証した研究結果の報告が行われました。 また、脳科学からみた音声分析によるコーチング機能の解析については、今後の研究成果に期待が沸くと、聴講した参加者の興味を誘っていました。
◆Sesson10 『コーチングカンバセーション ~現代の子どもとの会話について考える~』
はじめに、教育現場で実際にコーチングスキルを使っている事例が紹介されました。その後、参加者全員で大きな輪となり、子供との関わりについて全員で考えたり、個々の体験のシェアがされました。ファシリテーターのコーチ的なアプローチから、参加者からは活発な意見が出され、お互いのアイデア交換が行われていました。
前日から接近していた台風の直撃が心配されましたが、台風は離れ一転、暑い、熱い一日となりました。