2007年9月30日(日)、日本コーチ協会の第9回年次大会「Coaching2007]が、 都市センターホテルで開催されました。今年は「Practical Coaching」と題し、 コーチングの実用性について考察する為の、さまざまな分科会が行われました。
オープニングの調査報告。今年は「定性調査」が行われました。
◆Sesson1 基調講演 神戸大学大学院経営学研究科 教授 金井壽宏氏
「プロセス・コンサルテーションとエグゼクティブ・コーチング」
◆Sesson2 「ICFマスター認定コーチによる、コーチングデモンストレーション」
コーチングの有効性と効果についてレクチャー後、参加者同士の10分間ペアコーチングを実施。その後、コーチングのスキルについてのレクチャーをはさみ、再度コーチングセッションを行うというスタイルで実施されました。毎年この分科会に参加しているという方が多く見られ、人気の高さが伺えました。
◆Sesson3 「コーチのためのサクセスナビゲーション」
今年の調査報告にある「4つのルート」のどれに自分が当てはまるかのアセスメントをし、その後、4つのルート別グループに別れ、調査メンバーによるグループコーチングが行われました。調査報告のさらに詳しい事例を聞けたことや、グループ内でのアドバイスや体験談により、具体的な「ルート」を知れたことが大変好評でした。
◆Sesson4 「社内コーチシステム導入による成功事例」
社内コーチとコーチ型マネージャーについての説明、導入目的、役割、成功のポイントなどの事例紹介に続き、活発な質疑応答が見られました。社内コーチをすでに導入している企業担当者からは、「成果を上げるポイントが更にクリアになり、参考となる情報の多い分科会だった」と絶賛の声が聞かれました。
◆Sesson5 「「プロコーチ」という生き方~資格を取って独立する~」
プロコーチとして活躍中のコーチ、コーチ業を軌道に載せる段階にあるコーチ、それぞれの体験談と質疑応答が行われました。参加者からは「ビジネスの方向性や可能性を感じた」「中間目標となる1年後、2年後の姿を見れた」などの自身のコーチとしての道に必要な話を聞けた、という声が多くあがりました。
◆Sesson6 「社労士の視点から見たコーチに役立つ法律知識」
年功序列の崩壊などの社会背景に伴い、採用やリストラ等に関してコーチが知っておくべきことを、専門的な視点からアドバイス。参加者には人事部門にいる方や法務関連の仕事をされている方もいて、「仕事上、注意する点を事例によって具体的にイメージすることができた」などの感想がありました。
◆Sesson7 「コーチングを教育に生かして共に育つ1 ~授業等でのコーチングスキル活用事例~」
学校でのコーチング活用に関するワークショップの模様を、映像を交えて紹介。実際の取り組み内容や機能した点、工夫した点について大変活発な質疑応答が繰り広げられ、参加者の関心の高さと情熱が伺われました。
◆Sesson8 「コーチング入門」
コーチの語源、基本的なスキル、承認の説明とエクササイズの内容で進められ、参加者がスピーカーの問いかけに積極的に答えている姿が見られました。コーチングに触れるのは初めてという方が多い中、エクササイズは活気にあふれていました。
◆Sesson9 「中・上級コーチのためのオントロジカルコーチング入門」
日本で初めてのオントロジカルコーチングの紹介に、予想をはるかに上回る参加をいただきました。オントロジーという哲学思想を基礎にしたコーチングの紹介とオントロジカル・コーチングの視座を体験するショートセッションから始まり、体験と裏づけがマッチしたセッションで、中・上級のコーチにとっては1つのステップを示す内容でした。
◆Sesson10 「医療現場へのコーチング」
医療従事者がとるコミュニケーションによって、患者自身が生活習慣を見直すようになり医療費の削減や病気予防を期待できることや、病院の若手人材育成への可能性など、コーチングを医療現場へ用いることの効果が、具体的な事例から紹介されました。医師・看護士・担当診療課の違いなど、異なる立場からの事例紹介が非常に好評でした。
◆Sesson11 「コーチング活用事例~マネジメントで成果を出す~」
定員を超える数の聴講者に、ビジネス現場でコーチング活用に対するニーズの高さが伺えました。組織の中で実際にコーチングを活用されている体験談や、そこで見られる課題などが、「現実的で非常に共感できる」と、実際に組織内にコーチングを取り入れ浸透させていく過程における、活発な質疑応答がみられました。
◆Sesson12 「コーチとしてのプレゼンス」
自分の中にある価値観や強み、大切にしていることを発見し、コーチとしてのプレゼンスに生かすことにつなげる、という主旨のもと、言葉のイメージの共有→理想のコーチのプレゼンスを話す→3人で自分のプレゼンスの確認とフィードバック、という流れでエクササイズ形式に実施。参加者の楽しそうな表情が印象的でした。
◆Sesson13 「コーチングを教育に生かして共に育つ2~教員・保護者向けコーチングスキル活用事例~」
三重県教育委員会での新任教員向けのコーチング研修の内容が紹介されました。コーチングスキルを使って授業をする先生の映像を、参加者は非常に熱心に視聴されていました。 一方、保護者(主に母親)向けに開催したコーチングワークショップの紹介もあり、ボランティア活動から講演やワークショップを開催するに至るプロセスについての説明がありました。教育現場におけるコーチングには高い関心がよせられ、質疑応答の時間が足りないほどでした。
◆Sesson14 「成果につなげるコーチングツールの使い方」
コミュニケーションスキルだけでなく、アセスメントを使用することにより、更に効果的なコーチングができることを参加者同士のコーチング実習で体験してもらいました。「アセスメントを使うことにより、素早く情報を共有できる」「多くの視点からコーチングセッションが展開できる」という声があがっていました。
◆Sesson15 「成果を上げるコーチとは~コーチのファウンデーションと倫理」
まず「成果を出すコーチのファウンデーション」のセルフアセスメントを参加者それぞれが実施し、自身のファウンデーションの課題を探りました。次に行動プランを隣の人とコーチングし合うというエクササイズ、そのシェアという流れで進み、和やかな中にも、はっきりとポイントを絞った参加型セッションとなりました。
◆Sesson15 「コーチングで最高のパフォーマンスを上げるために ~アンチエイジング医療からの提案~」
「未来の目標に向かう」「ゴールセッティングからのフロー」「言葉のコンセプトに明るさがある」など、コーチングとアンチエイジングの共通点が紹介されました。「ゴール達成やマネジメントに不可欠な健康への意識の必要性」など、ヘルスマネジメントのコーチングは、コーチとして大きな付加価値になる、という医療側からの提言がありました。
肌寒い1日でしたが、会場の中も外も参加者の熱気があふれていました。