熟練コーチの「コーチングの成果」
熟練コーチとそうでないコーチの間には、そのコーチングの結果にどんな違いがあるのでしょうか?
ここに、113名のコーチを対象に「ICFの資格を持っているコーチ」と「持っていないコーチ」では、「コーチングの効果」に違いはあるのか? あるとしたら、どんな違いが あるのか? をまとめた調査結果があります。
ICFの資格を有したコーチ54名、有していないコーチ59名を対象に、そのクライアントからの評価を計測したものです。その結果、「目標達度」と「満足度」ともに、「ICFの資格を有したコーチ」の方が評価が高いことがわかりました。
つまり、熟練コーチの方が「総合的に、よりクオリティの高いコーチング」を提供している可能性が示されたわけです。
では、その中でも、「ICFコーチ」と「そうでないコーチ」とで、特に差が 大きかった 「コーチングの効果」は何だったのでしょうか?
その トップ3が、以下の項目でした。
第1位 今まで とは 違う やり方 を 選択すること
第2位 自分のパフォーマンス を より発揮する 方法 を 把握すること
第3位 相手と考え方や価値観 が違っても、合意点を見つけること
コーチングの関わりの中で、今までの自身の考え方や価値観以外のものに触れることで、自己認識が高まり、その結果、新しいやり方を選択することが可能になっているというようにも解釈できます。
今まで、その人がしていた考え方と違う解釈を探索することで、選択できるものの幅はグーンとひろがります。人の話を「聴く」ことは、大切なことだと認識していても、「聴くことは忍耐のわりには、報われない」と解釈している人は、いくら「傾聴のスキル」を学んでも、「聴く」ということは難しいでしょう。
でも、「聴く」ということは「新しいことを学ぶこと」「相手を勇気づけること」という違う解釈が増えることで、その人が「聴く」という行動を選択することができる可能性は高まります。
コーチングはその関わりを通して、クライアントの思考の自由を促進して、色々な可能性を探索していくものと思えます。熟練コーチは、その関わりが長けているのかもしれません。
※ICF=International Coaching Federation・国際コーチ連盟
参照資料:コーチの熟練度で差が出る「コーチングの効果」 | 調査結果 |
CRI コーチング研究所 (coacha.com)
日本コーチ協会 会員
市毛 智雄